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【債券紹介】マサチューセッツ工科大学100年債

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www.bloomberg.co.jp

オーストリア発行ユーロ建て100年債

オーストリアが発行している100年債(ユーロ建て)が人気のようです。
欧州では金利が下がりすぎて超長期を超える長さの債券への需要が強くなっているようです。

債券の利回りの源泉は、発行体の信用リスク期間のリスク(金利リスク)の2つしかありません。

保険会社は保険料、銀行は預金という形で顧客から預かっている資金を運用しています。そのためめ信用リスクの取れる量が規制によって管理されています。
結果として信用力の高い国債やソブリンなどが主要な投資対象にならざるを得ません。その中で必要な利回りを確保しようとすると必然的に期間の長い債券へ目を向けざるを得なくなります。

100年債は発行額が少ないこともあり需要の方が強いという状況のようでオーストリアは次の100年債発行も計画しているようです。

ちなみにオーストリアはこんな感じの国です。

  1. 面積       :約8.4万㎢(北海道と同じくらい)
  2. 人口       :約880万人
  3. 名目GDP    :3,688億ユーロ
  4. 一人当たりGDP :42,060ユーロ
  5. 歳入       :732億ユーロ
  6. 歳出       :775憶ユーロ

小さな国ですが、生産性が高く財政も健全です。
オーストリアが破綻することは現在の状況からは想像できないので安全な発行体と言え100年は安心ということなのだと思います。

米ドル建て100年債

せっかく100年債の話になったので米ドル建ての100年債を紹介したいと思います。

  • 発行体 :マサチューセッツ工科大学(MIT)
  • 格付け :AAA(S&P)
  • クーポン:3.885%
  • 満期  :2116年7月1日
  • 単価  :@107~108程度(利回り3.5~3.6%)

発行して3年経過しているのでこれから投資をスタートすると97年債ということになりますが、満期までほぼ100年になります。

発行体はMITというメジャーな大学で安全性は申し分ないです。上記にはS&Pの格付けのみ記載しましたが、Moody'sもフィッチも最上位の格付けを付与しています。

あとは投資としてということになりますが、長期の金利がここから下がると想定するなら短期でもかなりのリターンが得られる可能性があります。
一方で金利が上昇すると価格が下落するので満期まで3.885%という低い金利収入で満足がいくかどうかを判断する必要があります。

それで十分というのであれば投資してもいいと思います。
なんとなくMITという大学発行の債券を保有することに満足感がある方ならなおいいと思います。

債券投資の考え方の基本

債券投資をする場合、国債やそれに近い発行体、つまり格付けが高くて国債に対して上乗せ金利が少ない発行体に投資すると金利リスクによる影響が大きくなります。

反対に国債に対して上乗せ金利が大きい発行体に投資する場合は、信用リスクによる影響が大きくなります。

格付けでそのラインが分かれば簡単なんですが、銘柄によってかなりの違いがでるので難しいです。

例えばネットフリックスは格付けはジャンク級ですが、国債に対する上乗せはかなり縮小した形で取引されています。この場合は金利への感応度が高くなってしまいます。

一方で欧州銀行が発行するCoco債という債券は国債に対してかなり大きな上乗せ金利が乗っていますので金利への感応度というよりは信用リスク、銀行の場合は業界全体への見方によっての影響の方が大きくなります。

国債や高格付け債券投資(投資信託 or 現物)

金利感応度の高い債券は基本的に低い利回りになっています。
その利回りの範囲で満足というのであれば満期まで保有してそれを実現させればよいだけです。

しかし、多くの方は投資信託の形で債券を保有していますが、この場合は金利の見通しが重要になります。金利が下がるという見通しならOKだと思いますが、そうでないのであれば高格付け債券ファンドなどは投資対象になりません。

国債に対して上乗せが大きい債券への投資

国債に対して上乗せ金利が大きい債券、つまり利回りが一定水準以上の債券については現物に投資するのであれば満期まで持ち切ればその利回りが実現します。

こういう投資はリターンが読めるのでとてもいいと思いますし、外部の評価(決算など)を気にせずに保有できる個人投資家の特権だと思います。

但し、この場合はある程度銘柄を分散しておくことが重要です。

どんなに有名で大丈夫そうな企業でも破綻リスクはあります。
JAL、エンロン、リーマン・ブラザーズ、エルピーダメモリ、タカタなど破綻事例はあります。
良く知っているから安心で知らないから危険という発想は捨ててきちんと検証し、保有している間はメンテナンスするべきだと思います。

一方で、上乗せ金利が大きい債券に投資する投資信託(ハイイールド債ファンドなど)は銘柄は十分分散されていますが、そのためマーケット全体のトレンドに左右される割合が大きくなります。
満期まで保有すれば・・という債券の特徴はなくなりますのでマーケットの見通しが重要になります。こうなると株式投資と変わらなくなってしまう気がしてしまいます。