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【注目】某外資系PBではこの商品が流行っているらしい

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某外資系PBで猛烈に流行りだしている商品について

EB債です!

理由を聞いてみると、マーケットとは関係なく収益の進捗が遅れているから・・との回答でした。

プライベートバンクで流行っていると聞くとどんなに素晴らしい特別な商品だろう?と想像した方ごめんなさい。

今回はプライベートバンクの特別な商品紹介ではなく、むしろ注意喚起の意味を込めて記事を書きたいと思います。

外資系PBバンカーのざっくりとした年間スケジュールをご紹介します。

  • 1月:通常営業
  • 2月:通常営業
  • 3月:通常営業
  • 4月:前半は通常営業、後半はGW前のため緩んで仕事にならず開店休業
  • 5月:GW明けは緩んで仕事にならずダラダラ・・実質休業
  • 6月:通常営業
  • 7月:通常営業
  • 8月:夏休みのため実質休業
  • 9月:通常営業
  • 10月:通常営業
  • 11月:通常営業
  • 12月:クリスマス休暇のため実質休業

基本的に成績を上げれば行動は自由なので個々人の意思で動いています。

もちろん中にはきちんと行動計画を立ててまじめに営業している人もいますが、上の流れは多くのバンカーが乗ってしまう会社の雰囲気みたいなものです。

4月、5月、8月、12月は実質営業してないのでまともに営業しているのは8カ月だけということになります。

トップバンカーの中にはその年の前半に自分の予算の大部分を終えて残りはゆっくりと自分の予算達成に向けて調整するだけという人もいます。

しかし、多くのバンカーは自分の予算を達成できないというのが実態です。

そして今年は例年にも増して収益的に厳しい状況になっているそうです。確か3月に聞いたときに3月までの予算の10数%しか出来ていないという話だったと思います。

基本的に1-3月はスタートダッシュのためにどのバンカーも収益を積み上げるのでその期間に進捗が遅れるとその後に取り戻せる可能性はほとんどないと思います。
(個々人は別です。あくまで会社全体としての話です。)

なぜなら、できるバンカーは後半は予算以上にはやりませんし、できないバンカーはそもそもできないので急にできるようにはならず、結果として全体が遅れることになるからです。

6月は半期を締める月ですので、50%の進捗があるかどうか見られることになります。多少遅れていても問題にならないと思いますが、進捗率が10%前後になると問題になります。

なぜなら基本的に前年のサラリーの5倍は稼がないとクビの対象になってしまうからです。

10%なんてありえないでしょ?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

とあるマネージャーの部下のひとりは今年に入って取引がないそうです。
つまり自分では何も稼いでいないことになります。

なぜクビにならないんだ??と言っていました。

 

そしてできないバンカーにはプレッシャーがどんどん強くなっていきます。

すると、ただでさえキレイに営業できない方々が無理に数字を作ろうとして安易な方法に流れることになります。

それがEB債大流行現象です。

昨年はトルコリラ大流行でしたが、さすがに昨年トルコリラに投資をした方々が大きく負けている現状で同じ手は使えないことからEB債に回帰したものと思われます。

EB債の3つのメリット
  1. アップフロントで大きな収益がとれる
  2. 投資信託をセールスするより大きなロットでの取引が期待できる
  3. ノックアウト判定を短くすることで年内に再度の収益機会が得られる

解説します。

まずアップフロントで大きな収益が取れるというのは、約定した瞬間に収益が発生し、しかもその率が大きいということです。

最大で5%くらいの収益を取っているはずです。
さすがにこれ以上は取れないルールの会社がほとんどのはずですが・・

そして、株式を1億円一度に買う顧客は少ないですが、1億円のEB債を買う顧客は結構多いです。株式のリスクを含んだあくまで債券を購入しているという認識だからだと思います。外資系PBの顧客なら数億円で取引する顧客も多いはずです。

結果として1つの約定で多くの収益を獲得できます。例えば1億円だと500万円、5億円だと2500万円といった数字になります。

さらに、EB債には早期償還条項が多くの場合ついており、多くの場合は対象株式が5%上昇したら元本がすべて償還されるような作りになっています。

つまり、例えば3か月後に早期償還するともう一度同じ資金で同じような商品を販売できるチャンスが生まれます。

多くの顧客は早期償還するとそのまま同様の商品でロールする傾向になります。

手っ取り早く収益を稼ぐにはEB債が最もいいというのが分かると思います。しかも、EB債は多くの証券会社の主力商品で多くの顧客にとって取引経験が蓄積されていて商品の仕組みの説明がほぼ不要です。

参照する株式の見通しを語るくらいはするかもしれませんが、「半分にはなりませんよね?」くらいのやりとりだと思います。バンカーも顧客もどの銘柄にすると金利が高くなるかに関心がいっていることが多いのでむしろリスクの高い銘柄を選ぶ傾向にあります。

能力のないバンカーほどこの方法に頼って成績を作っている傾向があります。

プライベートバンクと言えばポートフォリオを構築して・・とかっこよく思われるかもしれませんが、実際には仕組債投資でバンカーは収益を稼ぎ、顧客はコツコツ金利収入を稼いでドカンと負けるという全体の流れになります。

普段からEB債が多いのが実態ですが、それが号令がかかったように約定が積みあがるなんて異常です。

収益の積み上がり状況が思わしくないという事情も分からなくはないですが、EB債偏重の営業はリテール証券となんら変わらないものです。本来のプライベートバンクとしての姿はどこにいったのでしょうか?

顧客が利益を出しているうちはどのような営業スタイルも正当化されるのだと思いますが、控えめにいってもリターンが限定されてリスクが無限の商品を継続していけばトータルで負けることになるのは目に見えていると思います。

ぜひプライベートバンクを掲げる人たちはマーケットの商品を組み合わせて持続可能なポートフォリオの構築をアドバイスしてほしいと思います。

今回はEB債の提案には気をつけて!というメッセージでした。

次回からは前向きに投資アイデアを書いていければと思います。