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ラップ口座:年間2%の手数料は安いか?

昨日ご紹介したファイナンシャルスタンダードの代表の福田猛氏がマネー現代で下記のように言っています。

ファイナンシャルアドバイザー会社「ファイナンシャルスタンダード」代表の福田猛氏が言う。

「資産運用では、できるだけリスクを抑えつつ、利益をもたらす、良い投資信託や金融商品に分散投資するのが重要です。

運用途中でも、市況に応じて株式や債券を入れ替える(リバランスする)必要がある。自分で入れ替えようとすると、知識が要るばかりか、面倒でもあり、その都度、手数料もかかります

ラップ口座なら、残高に対する手数料と投資信託の信託報酬で合わせて約2%を支払うことで、金融機関にすべて任せてしまえるのです」

波乱相場とは無縁…! 年利15%「ラップ口座」で得する人が続出中(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(2/4)

 「ラップ口座は手数料が2%ぽっきりで合理的」の検証

投資信託の乗り換え問題のせいかラップ口座は手数料が決まっているから正義だ!みたいな話がさまざまなところでされています。

乗り換え勧誘の連続が良くないのは分かりますが、果たして2%のコストがどの程度なのかを検証してみたいと思います。

それが下記の表です。少し説明しますと、

  •  想定投資金額を1,000万円としています。
  •  左は年間で全体の何%のポジションを動かすかという意味で、30%だと300万円分リバランスで売買することを意味しています。150%というのは1,500万円分売買するので1.5回転しています。
  •  平均手数料を1%~3%までのシミュレーションです。

ファイナンシャルスタンダードの福田氏の2%を比較にすると、同社の言うラップ口座に1,000万円預けると20万円の手数料を払うことになります。

この20万円と比較したのが下記の表です。
ブルーは20万円未満、イエローは20万円、ピンクは20万円以上になっています。

 

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どんな印象でしょうか?

 

ありえないですが、すべて手数料3%の投資信託でリバランスしても全体の70%もポジションを入れ替えないと20万円は超えないことが分かると思います。

当たり前ですがすべて入れ替えても2%の手数料ならかかる手数料は20万円です。

もちろん現物でなく投資信託だけで運用した場合は信託報酬がかかるので上記の金額のすべてを取引手数料として使えるわけではないですが、自分で組み立てるならETFを使うなどのコスト削減の手はいくらでもあります。

 

長期投資をうたって毎年すべてのポジションを入れ替えるなんてありえないと思いますので、実は年間2%(20万円)のコストを払うようなリバランスは法外な手数料の回転売買以外はありえないように思えてしまいます。

 

「だけど、自分でリバランスできないでしょ?」

それをプロがやってくれるんだよ!という主張をしています。

だったらその助言をIFAの皆さんがやってくれませんか?と正直思います。
そのためにインターネットと違う手数料を払うシステムになっているはずです。

「いや、うちは投資信託の手数料をインターネットと同じにしているよ」と言われそうですが、それはコストを払ってまで買ってもらえるようなバリュー(アドバイスなど)を生み出せないことを自分で認めているのではないでしょうか?

この点は「そうではなくお客様のために安くしている・・」という反論が聞こえてきそうですが、ではラップ口座ももっと安くして!と思います。

だって結局ウェルスナビと同じ5つのパターンから選ぶだけなんだから・・ウェルスナビは1%だし、コストの低いETF使ってくれるのに。。

といろいろ言いましたが、ファイナンシャルスタンダードの場合は「F-STYLE」という楽天証券のラップサービスに同社が助言することで商品の独自性を打ち出しています。

よって、同社は付加価値をつけているのでどの指摘も当たらないのかもしれません。

正直こういう付加価値の付け方はとても好感が持てます。

顧客に運用提案をするなら運用で独自性をアピールすべきです。

変なイベントにたくさん顧客を呼ぶことで独自性を出そうとして日系信託銀行と新会社をつくることになった某外資系PBにも見習ってもらいたいです。

なので同社にはぜひパフォーマンスを正々堂々ときちんとリスクが対応したベンチマークとの比較を見せて優位性をアピールして頂くことを期待したいです。
(前回ご紹介したような安定型とTOPIXを比較するようなだましチャートでなく)

自らが助言するファンドを販売しているファイナンシャルスタンダードのビジネスはとてもかっこいいと思います。

ぜひ今後も資産運用業界をクリーンにしていってほしいと思います。

 

 

おまけ

ちなみに、知識も不要で、面倒もなく、毎年決まってリターンが得られるのは顧客でなく販売会社です。

販売会社が手間を省いたらどこにバリューがあるんでしょう・・・

しかも放っておいて儲かるなら同社の社員はすべてラップ口座にお金を入れているはずです。ラップなら販売する営業員が取引を禁止されているということはありませんので確認してみてはいかがでしょうか?

 

ちなみにピクテの社員の年金はピクテのマルチアセットアロケーションファンドで運用しているそうです。ピクテは投資信託で基本コンセプトは同じ投資信託が販売されています。レギュレーションの絡みで日本の投信は入れられないオルタナがあったり為替ヘッジの具合は違うそうですが、基本は同じで守り重視のファンドらしいです。

なのでピクテの社員は自社の運用を強制的に持たされていることになります。

なんてまっとうな会社なんだろう・・と思った記憶があります。

 ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(愛称:クアトロ)特集ページ | ピクテ投信投資顧問株式会社