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三井住友トラストと新会社! UBSウェルス、本当に日本から撤退?

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外資系PBお手上げ??日本の富裕層ビジネスは難しい

UBSと三井住友信託が富裕層向けで新会社を設立するというニュースです。

UBS51%、三井住友信託49%なのでUBS主体のように見えますが、新会社にはUBSウェルスのビジネス(顧客)を移管するだけで、三井住友信託の顧客は合流するとはなっておらず顧客としてはUBSの顧客が100%です。

三井住友信託はすでに大和証券と金融商品仲介契約をしており、証券取引は大和証券で行っていることから新会社に顧客を移管するということができないのでしょうか?

UBSにとっては三井住友信託の不動産のソリューションを顧客に提供できるというメリットがあるように見えますが、それなら紹介契約などの他の契約で十分です。
自らの顧客をすべて差し出してたった51%の株式しか持てないというのは割りに合わないです。

 

しかし、日本のウェルス事業からの撤退準備と考えるとかなり納得できます。

撤退となると、顧客をどこに引き受けてもらうかという大きな問題が発生します。
過去いくつかの外資系金融機関が日本から撤退した時の例です。

  • ・スタンダード・チャータードはクレディ・スイスが引受先に
  • ・HSBCはクレディ・スイスに売却
  • ・ソシエテ・ジェネラルは三井住友FGに売却
  • ・シティバンクも三井住友FGに売却

UBSも上記の例のように売却すれば話は早いのかもしれません。
しかし、少し考えて見ると三井住友信託と合弁にする形はUBSにとって将来のメリットがある方法なのかもしれません。

UBSは顧客ごとに現物株式、債券、ETFを使ってポートフォリオの構築を行うと言いながらも実態は仕組債で荒稼ぎという状態でした。

しかし、グローバルに見て仕組債で5%の収益を荒稼ぎできるのは日本市場だけなので少なくともUBS本社としてはそのままでは近い将来立ちいかなくなると考えていました。
(海外では仕組債の手数料の開示義務があるところが多いので)

その流れを受けて最近では「一任運用ファンド」の販売に力を入れるようになっています。

しかし、「一任運用ファンド」を拡販する際に必要なのは高度なコンサル人材ではなくマーケティング力と営業力です。
その点では三井住友信託はラップ口座販売の先駆者的な存在で既に残高が多く実績は十分です。さらに三井住友信託が拡販してくれるなら自社で高い人件費のセールスを多く抱える必要はありません。
(外資系PBの人件費は日系の2~3倍程度です)

撤退後に「一任運用ファンド」の販売先として残ってくれればOKということであれば三井住友信託と組むのは大きな意味があります。

 

と半分は妄想です。
本当に撤退するかどうかは分かりませんが、外資系で働くことに意味を見出している人は多いので2021年の設立までに優秀な人材が流出することは間違いないでしょう。
となると、優秀な人材が顧客とともに離れますので2兆円以上と言われるUBSの預かり資産は減少する可能性が高いです。

クレディ・スイスに移るというのが最も可能性の高い選択肢ですが、UBSが苦しい状況であることを考えるとクレディ・スイスも安泰とは言えないはずです。
担当者と付き合っている感覚でクレディ・スイスと取引するのは有意義だと思いますが、クレディ・スイスのネームバリューで取引している方は撤退後の資金の移動先を考えておいたほうがいいいかもしれません。

 

下記追加部分です。

↓↓↓

UBSが撤退するのでは?と上記で書きましたが、ちょっと先の情報が入りましたのでシェアさせて頂きます。

UBSはここ3~4年でUltra High Net Worth(UHNW)チームというのを作っていてそのチームはどうやらUBSの投資銀行に残るようです。

これは預り資産50億円または保有金融資産250億円以上の顧客を担当するチームです。

三井住友信託との新会社には上記の基準を満たさない顧客とそれに関わらない従業員が移ることになっているようです。

となると、UBSがウェルス事業から撤退ということではなく、真の富裕層に絞った運営をしていくということになります。

もともとウェルスマネジメントの収益性の高さは、一人の担当者を介して、個人の資産運用・会社の資金調達・資本政策などそのオーナー周りの仕事を総どりできることから来ています。

しかし、最近はウェルスマネジメントという概念が少し大きな資金を運用するという程度のものになりつつありリテールと競合するようなものになってしまって収益性が失われていました。

UBSが目指すのはなんちゃってウェルス化してしまった事業から撤退し、真のウェルスマネジメント事業へ、彼らの本来の姿を取り戻そうとしているのかもしれません。

 

 

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