P-NOTE

Simple & Healthy

国内の外資系PBはキャピタルフライトが実は嫌い?

 

f:id:JDs:20190722080139j:plain

news.nicovideo.jp

国内の外資系PBが海外への資産移転のノウハウはない

ちょっと面白い記事というかコメントがあったのでご紹介します。

富裕層を顧客に持つ金融アドバイザーの山口 聰(そう)氏がこう話す。

「昨年からキャピタルフライト(資産移転)の増加を見越し、クレディ・スイスやUBSなどの外資系プライベートバンク(PB)が富裕層の囲い込みを強化しています」

もちろん外資系PBは毎年富裕層顧客の獲得に必死になっています。
しかし昨年からキャピタルフライトの増加を見越して富裕層の囲い込み強化というのは真っ赤なウソです。

むしろ外資系PBは顧客獲得に苦労しています。
さらに海外への資金移動や海外口座の紹介ビジネスはほとんど機能していません。
しかも外資系PBの担当者はキャピタルフライトをされると自身の預り資産、収益機会が減るのでマイナスになることもあります。

海外口座の紹介は毎年1~2件程度というのが実態ではないでしょうか?
それも物理的に資産を分離するために海外の口座に預金を分離しておくという程度の話で海外で資産運用をするという話はほとんどないはずです。

海外へ資産を移してきちんとした運用をするには手続き的にも税務的にも本当の意味での専門家の助けが必要です。
国内の外資系PBができるのは口座を作ることと資金を移動することという物理的な面だけです。その他のアドバイスは専門家にお願いしますという体制です。
規制上アドバイスできませんというのが彼らの言い訳でそれ自体正しい取り扱いですが、そのせいでそういった面でアドバイスがまったくない日本で活動している外資系PBは片手落ちの状態です。

むしろ海外の現地金融機関とパイプを作っている弁護士法人や税理士法人の方がキャピタルフライトの案件を多く取り扱っているはずです。

資産の移転先としては、米国のデラウェア州やネバダ州、アジアならシンガポール、さらに近年はニュージーランドが人気だという。

また移転先として上記のような例が載っていますが、国内の外資系PBが仮にできるとしたらシンガポールだけです。

国内の外資系PBでもっとも海外口座紹介のシステムが整っているのはクレディ・スイスだと思いますが、そこですらできるのはスイス、シンガポール、香港だけのはずです。

さらに・・・こんなことまで言っています。

「外資系PBは海外への送金サポートから現地金融機関の専属スタッフの紹介、そして移住希望者向けには物件仲介や子供の留学支援までやります」(前出・山口氏)

海外への送金サポートは送金先口座があればどの銀行でもサポートしてくれると思います。
もちろんこれは送金という作業の面だけです。法律的に問題が発生しないかなどのアドバイスはしてくれません。

また現地金融機関の専属スタッフは巨額の資産を移動するなら紹介してくれると思いますが、移住希望者向けに物件仲介や子供の留学支援は難しいと思います。

留学支援は日本ではスイスラーニングを通じてボーディングスクールを紹介する程度です。
スイスラーニングは誰でもアクセスできますので興味がある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか?
日本人の担当者が丁寧に対応してくれると思います。

物件紹介は聞いたことがないです。
海外不動産を紹介するのって規制的にどうなんでしょうか?そのあたりは詳しくないので分かりませんが実態として少なくともクレディ・スイスとUBSはやっていないと思います。

コメントを出している山口氏は過去にクレディ・スイスにも在籍されていて富裕層を顧客に持っているとのことですが、上記のようなサービスをアレンジしたことはないはずです。

それは山口氏の能力の問題ではなくてクレディ・スイスにそんな細やかなサービスを提供するノウハウが日本にないことが理由です。

キャピタルフライトは手続き的・税務的その他さまざまな点において相当専門的なノウハウが必要になりますので、富裕層はきちんとその道の専門家を集めて対応しているはずです。

つまりクレディ・スイスやUBSに相談してもほとんど何も進めることはできないということです。
繰り返しになりますが、できるのはちょっと資産を海外口座に置いておくサポートまでです。

クレディ・スイス、UBSの強み

クレディ・スイス、UBSには上記のようなものではなくもっと本質的な強みがきちんとあります。
ざっと思いつくだけで下記のようなものがあります。

  1.  担当者が変わらない
  2.  銀行・証券のサービスを一人の担当者がアレンジしてくれる
  3.  有価証券担保ローン
  4.  ヘッジファンドへのアクセス
  5.  クレディ・スイス、UBSの一任運用と同じ運用へのアクセス(ファンド経由)
  6.  外国債券へのアクセスが多い

もともと銀行と証券を同じ担当者が変わらずアレンジしてくれるというのが日系金融機関との最大の違いです。

そしてその担当者が外資系PBの海外で発行されている商品への幅広いアクセス能力を使って資産運用をアレンジする!これが最大の強みです。

このことを理解している担当者を見つけることができればクレディ・スイス、UBSは最もよい資産運用のパートナーになると思います。

おまけ

クレディ・スイス、UBSには優秀な担当者が多く在籍していると思います。
しかし、中にはなぜ外資系PBにいるの?と思ってしまうような担当者もいることも事実です。
それを見極める方法として下記の点に着目するといいと思います。

  • 金融市場の知識があるか?(すぐに専門部隊を連れてきますという人はNG)
  • 自分が担当している他の顧客の資産を話に出して権威づけようとしてないか?

上記の2点を確認して避けていくと大きな外れにはならないと思います。

これは担当者が変わらないという意味で長期的な付き合いのメリットがあるIFAを選ぶ際にも使える視点だと思います。