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外資系PBの営業実態

外資系PBの収益構造について話を聞きました。

現在残っている外資系PBの特徴は証券と銀行の両方の商品を同じ担当者がセールスしているところにあります。これは選択肢を増やすと同時にアレンジする人間を少なくするというメリットがあり大変有効な戦略だと思います。

日本の金融機関のように縦割りで提案商品が変わるとグループ会社の紹介という形になりどんどん関わる人が増えていきます。資産についての相談なのでできるだけ多くの人に詳細を公開したくないというのが通常だと思いますので、同じ担当者がすべてアレンジしてくれる外資系PBの魅力はそこで発揮されます。

証券と銀行の両方の商品を扱っているので商品部も両方の商品についてあります。

具体的には下記のような感じになっているそうです。

  1. 株式・債券(現物取引)
  2. ファンド(投資信託ヘッジファンド)
  3. 仕組債
  4. 為替(FX、仕組預金)
  5. ローン

さて、この中で最も稼いでいる商品部はどこだと思いますか?

 3の仕組債がトップです。その次は4の為替というより仕組み預金です。

世の中にある商品をそのまま顧客に買ってもらって手数料をもらうというビジネスはインターネット証券の台頭もあって難しくなっています。

一方で仕組みの入った商品はまだ担当者に説明してもらう必要があると考える人が多いこと、普通にネット証券だけで取引していたら取引しようという状況になりにくいこともあって対面証券の強みを発揮できるところです。その上、複雑にすれば収益面もおいしくなるのでその方向に営業が傾きやすくなります。

きれいに言うと需要と供給の両面でニーズがあります。

これは商品を販売したり、購入したりというビジネスと消費のレベルの話です。投資でリターンを出すために生まれた構造ではありません。

本当は仕組債も仕組預金もツールとしてうまく使えばとても良いものだと思います。しかし売る方は手数料が稼げるそれらの商品を売ることが目的になり、買う方はそれを買えば高いリターンが得られると盲信してしまうところは問題です。

国内証券は転勤があることから短期的に手数料を稼ぐ必要があることからそういう営業でも仕方ない面がありますが、転勤がなく生涯同じ担当者で取引できることをメリットとして訴えている外資系PBがこれでは外資系PBを使うメリットはなくなってしまいます。

おそらくプライベートバンクの概念を実現するために立ち上げ時のメンバーは本国の哲学を相当インプットしたと思いますが、徐々に組織が大きくなってきてプライベートバンクの哲学を共有するというのが難しくなってきているのだと思います。さらに収益によってボーナスが決まることからセールス力のある営業が日系証券から集まってきて、それまでと同様のスタンスで収益を稼いでボーナスを勝ち取るという流れになっていることは容易に想像できます。

つまり外資系PBも日系証券も現状はほぼ同じ収益構造で同じビジネスモデルになりつつあります。よく富裕層にフォーカスと言われますが、それは収益の効率性の観点から言われていることであり富裕層にとってのサービスになっていないことがほとんどです。

そういう意味において先日ご紹介したウェルス・バートナーの試みは面白いと言えます。

 

ちなみに外資系PBは営業の性格によってスタンスに違いがあります。下記に該当すると収益をめいっぱい取って成績を作っている傾向があります。

  • 頼んでもいないのに会社のサポート部門の人を連れてくる(自分に資産管理能力がない証拠です)
  • きれいな資料をたくさん持ち歩いている(かばんが大きい、普段から勉強していない証拠です)
  • やたらと自分の資産規模の大きい他のお客さんの話をする人(資産規模の大きい顧客を自分の権威づけに使っている)
  • やたらと食事に誘う(接待による営業)
  • やたらと人を紹介したがる(税理士とか、弁護士とか・・そもそも金融機関はそういうの禁止されているはずです。できても会社ベースで契約している先で大手に限るはずです。)
  • やたらとイベントに誘う
  • 自分の知らない銘柄を「危ない銘柄」と言う(上がっているにもかかわらず売却を勧めてくるというところで表れます)
  • 仕組債の早期償還は必ずロールする
  • 仕組預金をクロス円以外でも提案する(対円以外、例えば豪ドルと米ドルのペアなど)
  • 毎月早期償還判定があるEB債を提案する
  • 外債をセカンダリーで購入するときに、必ず指値通りに約定する(もしくは必ずきれいな価格になる)
  • 流行りの銘柄でEB債を提案する
  • ティバンクのキャリアがある
  • 日系証券で社長賞の実績がある

上4つは本当にヤバいです。

運用以外の何かで存在感を出そうとする人はまず危険です。運用に関心がない証拠です運用でなくセールスにしか関心なしです。こういう外資系PBの担当者と取引してもおよそ運用に真摯に向き合ってくれません。一方でセールス力があるので人としてはとても良く見えますし、実際に人間力も高かったりします。なので余計に危険です・・・

次に中段は提案商品から見る収益重視の特徴、下段はキャリアによる特徴です。

あくまでご参考まででお願いします。