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平均4%??富裕層向けビジネスの収益実態

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某金融機関の収益構造のイメージ

某富裕層向け金融機関の収益実態を暴露します!
といっても決算自体は公表しているので表面的な数字でなくその作られ方のようなものを分析してみます。

少し古い情報ですが、ほとんど変化はないと思います。
またどの金融機関かばれないように数字は丸めたものにしてあります。

 

預かり資産(AuM):1兆2,000億円

内訳

  • 預金 :4,000億円
  • 自社株:3,000億円
  • その他:5,000億円

ざっくりこんなイメージです。
その他は自社株以外の純投資の株式、債券(仕組債)、投資信託です。
預金は普通預金・定期預金・仕組預金の合計です。

この預かり資産で年間120~130億円の営業収益をあげるという状態でした。

収益率は預かり資産全体の1%程度なのでとても健全そうに見えます。

しかし、詳細を見ていくと恐ろしい事実が見えてきます。

自社株は収益貢献ゼロ

まず自社株は預かっているだけなので収益貢献はゼロです。まれに自社株を売却するケースもありますが、件数もごくわずかで年間1~2億円の収益貢献というところでしょうか。

すると残りは9,000億円になりました。

預金の正体

預金は普通預金、定期預金、仕組預金の3つの合計という説明をしました。
この中で1番少ないのは実は普通預金なんです。
なぜならセールスは普通預金にしておくと顧客から引き出しに合うリスクを感じてしまい常に商品をハメ込もうとします。
その結果普通預金に残高にある営業はかなり少なくなります。
以前の上司は毎日預金が残っていないかチェックしていましたし、残っていたらすぐに電話して何か商品をセールスしてました。

最も多いのは定期預金でした。

定期預金は外貨であれば多少顧客から金利スプレッドをもらうこともできますが、日本では円預金がどうしても多くなってしまいます。
しかし最大の問題はその預金の取り方です。
キャンペーン定期?とは呼んでいませんでしたが、そのようなシステムがあって法人に定期預金にスペシャルレートを提供して残高を増やすことをやっています。
なぜなら収益目標と同じく新規の資産導入が成績の大きな部分を占めているからです。

本来はきちんと運用する資産を取り込むのが本筋ですが、表面的な数字でしか管理されていないために法人の定期預金を取り込むことで残高を水増しし成績をよく見せているセールスが多くいました。

例えば円の1年定期預金0.10%のような感じです。

これをやると会社としては赤字になります。赤字ということは収益貢献はゼロどころかマイナスになります。
しかし、このマイナスはセールスには反映されない仕組みになっていました。
そのせいで定期預金スペシャルレートによる残高水増しという現象が起きています。

その金額は約2,000億円といったところでしょうか?

仕組預金は多く見積もっても1,500億円程度でした。こちらはデリバティブが噛んでいるので収益性が高いです。

つまり預金の4,000億円のうち収益貢献が期待できるのは1,500億円ということになります。

その他の5,000億円は株、債券、投資信託などの運用資産なのですべて収益貢献が期待できます。

合計すると、5,000億円+1,500億円=6,500億円となり収益はこの6,500億円で生み出していることになります。つまり収益率は2%と倍に跳ね上がります。

6,500億円の資産が毎年全額取引されている可能性はほぼゼロです。
なぜなら債券は1年以上保有することが通常ですし、投資信託も信託報酬は毎年発生しますが、販売手数料は数年に1回ということがほとんどだと思います。

つまり6,500億円すべてが売買されることはほとんどありません。
おそらく多く見積もっても50~60%くらいではないかと思います。

となると実際に動く資産は3,500億円程度まで減ってしまい、収益率は4%近くまで上がってしまいます。

つまり、実際の取引では4%平均くらいの手数料を目的に提案商品を作りこんでいることになります。

優秀なセールスはファンドや外貨預金を積み上げて安定的な収益基盤を整えて、取引手数料を抑えるような動きをしています。
しかし、そうでないセールスはそもそも預り資産が少ないので取引をするときにめいっぱい手数料が取れる商品を選択します。

それが仕組債と仕組預金です。

EB債ばかりセールスするのは成績が悪い証拠と言ってもいいと思います。

仕組ってつくとなんか怪しいなというのはそれを販売しているセールスが仕組商品を使ってうまく運用をアレンジすることを考えず、最も収益が取りやすいEB債(元本が株価に連動する債券)ばかりをセールスすることから生まれたイメージです。