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成功報酬40%のヘッジファンド

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www.bloomberg.co.jp

運用者への報酬は上昇、運用ツールのコストは下落

資産を増やせるファンドの報酬は上昇

インデックス運用全盛の時代になってヘッジファンドは冬の時代になっています。

しかし、運用の目的は資産を増やすことである以上それを実現しているヘッジファンドはそれに値する対価を求めているという事実もあります。

記事はジェフ・タルピンズ氏のヘッジファンドが成功報酬を引き上げるというものです。
そもそも25%の成功報酬は他のヘッジファンドより高いですが、これを40%に引き上げるそうです。

一方で管理手数料は2.5%から2.0%に引き下げるそうです。

運用がうまくいったら今までより多くもらいますね!という意思表示であり、設定来年率20%、直近4年でも16%と圧倒的なパフォーマンスを誇っているからこそできる条件変更です。

さらに運用資産を20%程度減らす意向も示しています。

手数料体系の変更に伴う解約で想定通りに減らない場合は比例配分で投資家に資金を返還するそうです。

ほとんどの運用会社にとっては羨ましい内容のオンパレードです。

金融機関の運用はパフォーマンスに真剣じゃない

ブラックロックを始めとした運用会社は預かり資産を増やすのに必死です。
これまで稼げていた投資銀行ビジネスが儲からなくなった世界中の金融機関はアセットマネジメント事業に注力していますが、どこも買収以外で十分なアセットを獲得するのに苦労しています。

さらにインデックス運用のためのツールであるETFや投資信託のコストは極限まで下がってきています。

  • ブラックロックはインデックスETFのコストを極限まで下げた影響で収益が伸び悩んでおり、アクティブ運用からのアプローチで少しでも信託報酬の高い商品を設計しようと取り組んでいます。
  • またゴールドマン・サックスもまだ運用報酬が残っている富裕層向けのアセマネの事業を日本でも計画しているほど各金融機関は単なるツールの提供を超えた資産運用の分野に注力しています。
  • UBSもクレディ・スイスもいかに自社の一任運用が優れているかをアピールしては自社の運用商品に資金を集めようとしていますが、少なくとも日本では瀕死に状態と言ってもいいと思います。

それなのに、エレメント・キャピタルは資産を返還したいと・・・

これはリターンを出すためのベストなサイズで運用をしたいということだと思います。

運用リターンを最優先するなら本来はそうあるべきです。

しかし、ほぼすべての金融機関は運用資産を集めてその管理手数料で収益を安定させたいというのが目的なのでリターンを出すためのベストな状態を意識したことがないはずです。

結果としてパフォーマンスもたいして上がらず、それならインデックスでいいか!と多くの顧客が感じてしまうようなものしか提供できないでいます。

ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、JPモルガン、クレディ・スイス、UBSなどの有名外資系銀行のネームを聞くとリターンのいい商品があるのではないかと私たち日本人は妄想してしまう傾向にあります。

実際に取引をしたことがある富裕層の方は経験したことがあるかもしれませんが、ゴールドマン・サックスだって以前日本で富裕層ビジネスをしていたときには顧客の資産を大きく減らしています。

クレディ・スイスもUBSもHSBCもシティバンクも・・・ジュリアス・ベアもぜ~んぶ一緒です。

みんな運用が決してうまくないです。
少なくとも顧客に提供する運用サービスについてはそう断言できます。

なぜなら本当に投資がうまい人たちは自らヘッジファンドを設立して運用しているからです。

現にクレディ・スイスで提供されている最もリターンが安定しているヘッジファンドである証券化戦略ファンドはクレディ・スイスの社内の運用から独立したチームが運用しています。

ヘッジファンドは多くの資産を預かって、きちんとしたパフォーマンスを出せば成功報酬で莫大な収益を得ることができます。

本来はそのように運用のリターンを上げようと必死になっている人に資産を預けるべきだと思います。

老後の資産形成にインデックスだけでは不十分

低コストのインデックスファンドを積み上げて資産形成をしていくことも運用の一部としてはいいと思います。

しかし自分の老後のタイミングで世界の株式指数が下落していること可能性もあります。

すべてのものが右肩上がりで上昇するはずはなく、仮に上昇するにしても波を作りながら上下を繰り返しているはずです。

その下落のタイミングで自分が老後にぶつかると想定とは違う結果になる可能性が高くなります。

すべての世代の人がインデックスで運用すればそのどれかの世代はタイミング悪く下落している世代に必ずあたるはずです。

それが自分ではないとどうして言い切れるでしょうか?

つまりインデックス運用も重要ですが、それとは違う波を描くような運用も同時に取り組む必要があることになります。

エレメント・キャピタルのようないいヘッジファンドに資金を預けられたらインデックスとは違う形状のチャートでリターンを返してくれてインデックス運用の上記のリスクを埋めてくれると思います。

しかし、インデックス以外の運用は結果がどうなるかは誰にも分かりません。
過去のトラックレコードで判断するしかないというのが正直なところです。

もちろんエレメント・キャピタルも今後はどうなるか分かりません。
しかし良質のトラックレコードは選択する材料としてはこの上ない材料です。

バックテストには注意

気をつけないといけないのはバックテストとトラックレコードはまったく違うということです。

トラックレコードは過去の実際の運用結果であるのに対して、バックテストはある手法を採用したとして過去の相場に適用するとどのような結果になるかテストしたものです。

つまり、バックテストは過去の相場でよい結果になるように採用する手法を調整することができます。

バックテストは販売のための資料を作るために実施されるものなので良い結果を見せる方が将来もうまくいくのでは?と顧客に思わせることができることから最もよい結果となるように調整します。

バックテストはあくまでテストです。

テストはあくまでテストなので次も同じようにできるとは限りません。

似たような相場が続くうちはいいですが、時間が経つと相場は違う顔付をしてきます。
そこに柔軟に対応できるかどうかはまったく分かりません。

バックテストのパフォーマンスで販売された商品はおそよ1~2年でワークしなくなることが多いです。

バックテストでチェックした相場とは違う相場になり、過去の相場に合わせて作った運用手法が通用しなくなるからです。

そういう意味では長いトラックレコードはいろんな相場に対応してきた実績なので相場が変わってきてもそれに対応する能力があればパフォーマンスを出せる可能性があります。 

いくつかの金融機関およびIFA事業者が独自の運用をラップ運用として売り出しています。

その資料にはトラックレコードとバックテストがごっちゃになって記載されています。

バックテスト期間が長いものには注意が必要です。

せめて1~2年のトラックレコードをインデックスと比較できるところまで運用実績ができてから投資した方がいいと思います。

おまけ:比較するインデックスに注意

それ以前に比較するインデックスを意図的?に違うものを選んで比較してあたかも自分たちの運用がインデックスよりいいものだと見せている業者はそもそもの発想が悪質なので問題外です。

インデックスをどう選ぶか分からないという方は下記を参考にしてください。

こんな感じで比較すればおよその良し悪しは分かると思います。

また「私たちはよい投資信託を選ぶ能力があります」と言って、中小型株ファンドとTOPIXを比較している業者がいまだにありますが、中小型株ファンドはJASDAQ指数と比較しないとダメです。

このように比較対象をずらすことで自分たちの能力をよく見せようという業者が多くいますのでご注意頂ければと思います。