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米国の利下げ観測の正体

米国は年内0.50%の利下げ??

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米FF金利先物、年内0.25ポイントの利下げ2回を見込む - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

最近米国が利下げするのでは?という記事が増え始めました。

根拠は上のチャートです。
ブルームバーグの記事の中のチャートですが、FF金利とFF金利先物の動きを表しています。

米国の民間銀行は中央銀行に準備金を預けておかなければならないのですが、この準備金には金利が付きません。そのため各銀行は必要最低限度の調整するために短期市場で資金を融通しあっています。そのときに適用される金利をFF金利と呼びその市場をフェデラル・ファンド市場と呼んでいます。

日本でも同じ仕組みがありますが、こちらはコール市場と呼ばれています。

小難しいことはさておいて、要はその国の金利取引のベースになっているレートであり市場であると言っていいと思います。

そのため米国の中央銀行はFF金利を誘導することで世の中の流動性を調節しようとします。

現在の米国の政策金利は2.25%~2.50%というのはご存知の通りです。
実際のFFレートは2.39%となっておりその誘導の範囲内にあることが分かります。

そして将来のFF金利を予想して取引されるのがFF金利先物です。これはシカゴ商品取引所で取引されています。

2020年1月を限月(決済)とするFF金利先物が1.855%まで下落しており、現在のFF金利との差が約0.50%となっています。

これを指して年内0.50%の利下げ、年内2回の利下げ(1回0.25%)という感じの流れが出来ています。

このような状況になっている理由として、メキシコへの関税や米中の貿易戦争などが取り上げられることが多いと思います。

この先には関税引き上げはモノの動きを鈍くすることから消費が減り景気が減速するという流れが想像されています。

しかし、関税引き上げによって鈍くなったものの動きを金利の引き下げによって相殺することは可能でしょうか?

関税の引き上げで物価が上がります。その中で同じような生活をすると財布から出ていくお金が増えます。
そうなると消費を控える層が発生しますが、金利の引き下げはそのような層にどのような恩恵があるのでしょうか?

しかも米国の失業率は過去最低水準ですし、平均時給も上昇を続けており経済全体が悪いという現在の材料も見当たりません。

つまり、金利の引き下げは何かいろんなものをすっ飛ばして株価を下げないための手段になっている印象が強くなっています。

株価下がらないように金利下げてね、と。

もはや金利下げても流動性は既に過剰なので流動性が向上するという実態としての期待は低いです。

現に株式市場も債券市場もその他の派生商品の多くのマーケットも拡大しています。

個人的には、株価の下落が利下げの唯一のトリガーになるとすると年内は利下げ観測とともに株価が堅調で結果として利下げはダラダラ見送られるというのがいいところのような気がします。

投資成果の計り方

だらっとした内容になってしまいましたが、マーケットは株価を下げなくていい理由を探しまくっています。
トランプ大統領が騒いでも数日で株式市場は戻し、金利の下落という形で利下げを催促し、リスクオンなのかリスクオフなのかもはや分からないというのが率直な印象です。

昔は債券と株式には逆相関があって両方持てばリスクヘッジになると言われていましたが、現在ではほとんどの資産が同じ方向に動くようになってしまいました。

数少ない逆相関は円とスイスフランくらいでしょうか?

これは日本人にとっては最悪です。
なぜなら、円評価で投資成果を計っている日本人にとっては円の上昇は何の成果ももたらさないからです。
さらに円の上昇はその他の通貨の下落を意味しますので、海外への投資にはマイナスの影響がでます。加えて投資対象の株式、債券など一緒に下落となると目も当てられません。

海外の人からみると少し違った景色があります。
例えば米ドルベースで投資成果を計っている米国人にとっては、日本株への投資で株式が下がっても円という通貨が上昇していればその分リスクヘッジ効果が期待できます。

つまり、現在のマーケットは全体的に見てリスクオフ時に上昇するものが円やスイスフランくらいだとすると日本人にとっての投資はかなりハードルの高いものになります。

それを回避し長期で投資成果を求めるなら投資成果を米ドルベースで計るという投資スタンスも必要なのかもしれません。

資産規模にもよりますが、1億円以上の資産があって給与などのフロー収入がある方であれば資産の半分程度は米ドルベースで投資成果を計る方が投資を長く継続しやすく結果として投資成果につながりやすいと思います。