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給与所得と合算して税金還付をうたう不動産投資は資産の減少に

 

「節税」という効果だけを強調して不動産をセールスする手法はなくならないのでしょうか?

しかも掲載場所はの「 幻冬舎 GOLD ONLINE」です。

個人的にもいつも勉強させてもらっているウェブサイトで素晴らしいと思っています。しかし、まれにこんな記事も堂々と掲載してしまうと、よくある富裕層向けに商品を売り込むためのサイトと同じレベルのものに格下げされてしまうように思います。

下記が記事の中にある具体例です。

年収約1,600万円で、所得税217万円、住民税113万円、合計330万円の税金を支払っている医師Aさんがいます。そこで自己資金200万円に銀行から1,800万円の融資を受けて2,000万円の物件を購入しまいた。

経費として換算できる減価償却費や登記代、管理費・修繕費・火災保険料などを合計すると241万円になりました。ここから年間の家賃収入93万6,000円を差し引いた約147万円を給与所得から引くことが可能です。

その結果、不動産投資を行ったAさんの支払う税金は、所得税168万円、住民税98万円、総額266万円で、約64万円の節税に成功しました

支払う税金の総額が330万円から266万円と64万円減るという結論だけの述べています。

しかし、資産形成で本当に重要なのは自分の手元に残る金額が多くなることです。

そういう視点で上の具体例を計算すると下記のようになります。

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なんと手取が83.4万円以上減少しています。

64万円税金を減らして、83.4万円の手取り収入を減らす。

しかも200万円のコストを支払って・・・こんなバカげた話になる価値はありますでしょうか?

不動産投資をすることで毎月7万円の手出しになっていることになります。

 

毎月の手取金額も減って、貯金も減るという散々な結果になります。

これで儲かるのはそれを販売した不動産会社だけです。

 

このような議論をすると2つの反論が返ってきます。

  1. ローンの返済が終わると賃料収入がまるごと利益になり、老後の収入になる
  2. 5年以上保有した後に売却することで値上がり益が得られる(少なくとも残っているローンよりも高値で売れば儲かる)

 

 

1については賃料の減少、空室率の上昇を想定していなかったり、古くなることでかかる費用について十分考慮されてなかったりします。

そのため購入時のキャッシュフローをベースに話をすると、まったく話が合わないというのが実情だと思います。

そもそも現状でもキャッシュフローが合わないものが将来なら状況が改善してキャッシュフローが合ってくるなんてことは考えにくいです。

賃料の減少と物件にかかる費用の上昇がそれぞれ起こることは確実ですので。

2については、購入時にキャッシュフローが出ない物件を次に買ってくれる人はまたキャッシュフローが出ないと思います。

投資家はキャッシュフローがでない物件はほぼ手を出しません。

となると、購入した方のような節税効果を狙った買い手を見つけることになりますが、このような買い手も新築の方を好む傾向にあります。しかも業者も新築を販売した方が儲かるので、買い手を見つけるのは難しいように思います。

 

不動産は個別の事情が強いので、大丈夫な物件もある!との専門家のご意見もあると思います。

良識のある専門家はきちんとした物件を紹介してくれるでしょうし、そういう方はさまざまな戦略を想定して物件を選んでいると思います。

私は不動産は専門ではないので分からない部分はありますが、それでも1つだけ言えることがあります。

それは

「給与所得との合算で税金の還付が受けられることをメリットとしてうたっている不動産物件はキャッシュフローが赤字になる」

ということです。

正直たかだか年収1600万円くらいの給与の方が毎月7万円の手取りの減少になることは生活に大きな変化があると思います。

しかも200万円の回収はいつになるかわかりません・・・・

節税メリットをうたった不動産投資をするよりも、極論税金を多く払っても毎月1万円でも手取りが増えるような不動産投資をする方が収入が増え、資産が増えるように着実に向かっていると思います。

単純ですが、同じ税区分なら多く税金を払った方が手残りは多くなります。

一方で同じ不動産の売却益でも短期譲渡(約39%)と長期譲渡(約20%)で税率が変わるものをうまく活用すると本当の意味で節税が出来ると思います。